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デジタルツインによるスマートファクトリー

製品・技術・展示会
 

はじめに

新型コロナウィルスの世界的な蔓延は、人々の暮らしや働き方に大きな影響をもたらしています。

経済活動はウィズコロナでの対応を模索しながら再開していますが、生産現場においても、しばらくはソーシャルディスタンスを守り、最少人数での作業が求められると考えられます。

このような状況を踏まえ、お客様の工場内の自動化への関心は、より一層高まると予想されます。

FUJI Smart Factoryの自動化・デジタル化により、デジタルツインを実現し、バーチャルとリアルのギャップゼロを実現する取り組みをご紹介します。

バーチャルとリアルのギャップゼロを実現

シミュレーションによる構成提案

生産現場の自動化を推進する際の課題は、自動化すべきボトルネック工程の特定と自動化機器の選定です。これらは、導入効果が薄くなってしまうリスクを回避するため、事前の確認が重要となり、シミュレーション技術の活用が有効となります。

シミュレーションでは、既存のSMTフロアをバーチャル空間に再現。リアルでは数値化が難しかった人間の作業負荷を考慮することで、SMTフロアのボトルネックを可視化します。また、自動化機器を導入した場合やオペレーションを変更した場合の効果を可視化できます。

バーチャル空間でモデル化されたSMTフロアでは、AGVや部品自動倉庫の台数、作業者数、作業動線など、工程ごとにパラメータ設定が可能で、導入効果を確認できます。

正確なシミュレーションの実現には、使用するデータの精度が重要となります。統合生産システムNeximは、生産品種や運用方法ごとに正確なサイクルタイムの算出や、きめ細かな実績値を提供でき、シミュレーションの精度向上に有効です。

SMTフロアのスケジューリング

日々の生産計画に対し、生産現場ではライン割り当てや生産順序、作業者のシフトなどを考慮し、生産スケジュールを作成しています。

しかし、自動化を進めていくとフロア内の自動化機器が増え、スケジューリングはより複雑化します。

このため生産スケジューラにより、所有するラインや自動化機器、作業者のスキルや勤務シフトをモデル化することで、ラインへの割り当て、さらには生産順序を考慮したセットアップの作成が可能となります。また、生産する品種ごとにタクトが異なる点は、Neximが正確に生産時間を算出します。Neximと生産スケジューラが連携することで、部品の払い出しから外段取り、運搬のタイミングまでをスケジューリングします。(図1)

図1 スケジューリング

NXTRが実現するFUJI Smart Factoryのモノづくり

実装ラインの課題

現在のSMT実装工程では、部品補給や段取り替えの作業等で多くの人手を必要とし、作業者のスキルや状況により、生産計画(バーチャル)と実績(リアル)にギャップが生じていると考えられます。

例えば、生産中に複数の部品が同じタイミングで部品切れになる現象(部品切れラッシュ)が現れると、部品補給が間に合わずに生産停止が発生します。この場合、次生産準備のため部品棚からリールやフィーダーを探し、収集する作業に予想以上に時間がかかったことが原因として挙げられます。

NXTRによる実装ラインの課題解決

SMT実装工程で最も作業者を必要とするのが部品にまつわる作業であり、ここで生じる問題が改善すべき課題です。

これらの問題を解決するため、フィーダーの運搬・交換・セットを自動で行う「スマートローダー」を世界で初めて搭載した実装機NXTRを開発しました。これにより部品の交換、補給作業の自動化を実現しました。

NXTRラインでは、バッファーステーションにフィーダーを配置するだけで、スマートローダーが部品切れや段取り替えのスケジュールに応じて生産デバイスのフィーダーと自動で交換します。

部品切れラッシュについては、生産デバイスの空きスロットに補給フィーダーをネクストデバイスとしてセットしておき、部品切れになった際に自動でネクストデバイスから部品を吸着します。その後、空フィーダーを回収し、オリジナルスロットにフィーダーをセットする事で部品補給のタイミングを分散し、部品切れラッシュを回避します。これにより部品補給による停止が無くなり、計画通りの生産が実現します。

次生産で使用するフィーダーは各モジュール下部のベースバッファーに事前準備する事ができ、必要なタイミングに合わせてフィーダーを生産デバイスにセットします。次生産分を含めたフィーダーを載せ切る運用が可能となり、段取り替え作業を削減することができます。また、フィーダースタンドや台車スペースの削減にも繋がります。(図2)

図2 段取り替えの自動化

全方位進化した印刷機 NXTR PM

自動化とQCDの維持

昨今、印刷工程の自動化に関する問い合わせも増加しています。背景にデジタルトランスフォーメーション(DX) 推進に向けた工場の変革があると考えられます。

印刷機の自動化要求に対する取り組みは、以下となります。

部材搬送の自動化
  • 自動搬送された部材(マスク、バックアップブロック)の自動受け渡し
  • 印刷機内への自動引き込み
段取り替えの自動化
  • プログラムの自動切換え
  • バックアップブロックとマスクの自動交換
  • 次生産マスクへの自動はんだ移載と追加はんだの自動補給
部材補給の自動化
  • 使用済みのはんだポットとクリーニングペーパーの無停止交換

これらをタイムリーかつ過不足なく行うには、生産スケジューラ、AGV、実装機と印刷機の連携が必須となります。

品質面では、SPIとの連携を強化しています。SPIの測定データを印刷パラメータと紐付けし、常に装置内でナレッジとして蓄積。プログラム作成時には、部材情報をもとにナレッジデータを使用し、機上画面で印刷品質(形状、高さ)、サイクルタイムを確認しながら、印刷パラメータの決定をサポートします。

また、生産中のSPI測定データを常時監視することで、にじみ傾向を検知し、エラー直前に自動クリーニングを行うことで、ライン停止を削減します。

デジタルツインを支えるCVサービス

デジタルツインを支援

IoTの浸透により、生産設備も常にネットワークに接続されている状況、つまりコネクテッド化が進んでいます。これにより、お客様がサポートに必要な情報をより早く、正確に収集できるようになりました。これらの環境を活用し、デジタルツインの「リアル」から「バーチャル」へのフィードバック部分を支援するのがCV(Customer Value)サービスです。

生産性の向上は企業の生命線であり、本サービスは生産工程の診断、分析、調査、提案、そして課題解決までを支援します。生産現場、設備、CVサービスが三位一体となって課題に取り組み、設備と人間の能力を最大限に引き出し、生産現場を進化させることで生産性向上に寄与します。

診断カルテによる可視化

生産工程を診断後、課題や変化を可視化するため、診断カルテを作成し、5M(マン・マシン・マテリアル・メソッド・メジャーメント)の健全な状態の可視化と設定目標を管理し、お客様と共有します。その上で、要因分析、改善策提案、改善実践、トレーニング、効果評価により課題解決へと導きます。このような診断を定期的に実施することは高い生産性を維持するためには重要です。

リモート診断

訪問が困難な場合や遠隔地への要望に対し、リモート診断を開始しました。(図3)

リモート診断は、IoT・デジタル化活用による働き方改革の一つとして、生産現場と弊社が共に新たな価値を創出していくものです。

図3 リモート診断

品質維持とスピード展開

生産性や品質低下の原因の特定と対策は、プラットフォーム=CVPF(CV Platform)を構築することで、どこの地域でも同じ品質とスピードでCVサービスの提供が可能となります。

さらにCVPFを基盤として、サービスのオンデマンド化を進め、デジタルツインの一方である生産現場(リアル)の分析と課題解決までの時間を短縮できるように取り組んでいます。

おわりに

FUJI Smart Factoryは、自動化を強く意識して開発されたNXTR、NXTR PMが加わったことで新たなステップに入りました。

NXTR、NXTR PMと部品準備の自動化は、生産現場(リアル)の実績をデジタル化するために有効です。また、CVサービスは実績と計画のギャップを分析することで原因を特定し、シミュレーション(バーチャル)へのフィードバックの精度を上げるものです。リアルを支え、バーチャルへと繋げる要の部分です。

弊社は、装置やシステムによる作業の自動化や効率化を強化する一方、デジタルトランスフォーメーション、さらにはデジタルツインを活用し、変化に柔軟に対応できる生産の実現に向け、生産現場の改善を支援していきます。

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