NEWS

大型部品実装ソリューションのご紹介

製品・技術・展示会

はじめに

超スマート社会の実現に向けて、世界中で次々と新しいデジタル技術の開発が進んでおり、電子基板の搭載部品にも変化が生じています。
例えば、動画の視聴やゲームはインターネット経由で楽しむことが一般的になっており、通信データ量は増加しています。大量のデータを高速で処理するために通信インフラ設備で使用されるCPUなどの高機能デバイスは、能力向上にともなう大型化が進んでいます。また、自動車は環境保護の観点からEV化が進んでおり、バッテリーなどからの大電流の受け渡しに使用されるコネクタなどは大型化しています。

本稿では、高機能デバイスやコネクタに代表される大型部品にフォーカスし、実装工程における課題とそれらに対するFUJIのソリューションをご紹介します。

大型部品実装における課題

複雑な部品形状や装置の仕様制限により、以下のような課題が挙げられます。

  • 画像処理データの作成に時間を要する
  • リード付部品の位置決めが困難
  • 手作業で組み立てるため、品質が安定しない

「大型異形部品」と言う単語に表されるように、大型部品は複雑な形状をしたものや特徴的なものが多く、対応方法は部品ごとに異なります。
ここからは下記のテーマに沿って、FUJIがご提供するソリューションをご紹介します。

1. 複雑な画像処理データの作成を強力にサポート

画像処理データが適切に設定されていないと、位置ずれ不良や部品認識エラーによる装置停止といったロスが発生します。また、市場ニーズの多様化による生産品種の増加にともない、新規プログラムの作成量は増加傾向にあり、短時間で正確なデータを作成せねばなりません。

しかし、大型部品には基板装着面にリードやバンプの付いたものが多く、特にそれらが不規則に並んだ部品の画像処理データ作成は、一つあたり10分を超えることも珍しくありません。

バンプが不規則に配置されたBGA

こうした画像処理データの作成に時間を要する部品でも、実際の部品画像を利用することで正確なデータを短時間で作成することができます。

1.1 画像処理データの作成支援ソフトウェア

ASGは、画像処理データの作成作業において最も手間の掛かるリードやバンプをAIが自動で認識、設定を行うため、作業工数を1/3以下※1に削減できます。

また、画像処理のVision Typeを自動選定し、認識可否のテストをオフラインで行えるため、生産開始後の画像認識エラーの発生頻度を抑え、量産立ち上げまでのリードタイムを短縮できます。

一辺が50mmを超える大型部品でも、分割撮像して取り込めるため、小型部品同様に正確な画像処理データを短時間で作成できます。

※1 当社調べ
画像データ作成画面
専用カメラスタンド

部品によっては生産ロットの違いで個体差の大きいものがあり、ロットが切り替わったタイミングで、画像処理エラーが発生することがあります。このような場合でも、実装機のカメラで撮像した画像を使い機上、またはラインPCでデータを編集し、すぐに生産を再開できるため、停止時間を最小限に抑えられます。

機上編集イメージ AIMEXIII

2. 部品ごとに異なる特徴に最適なソリューションをご提供

大型部品を高品質で効率よく生産するためには、部品ごとに異なる特徴(形状、サイズ、重量)に合わせて対応する必要があります。

ここでは代表的な大型部品の特徴と課題を挙げ、それらに対するソリューションをご紹介します。

2.1 挿入端子付き部品を正確に位置決め

大型部品実装を難しくしている要因の1つが、挿入端子の存在です。

このような部品は、挿入端子を基板のスルーホールに挿入する必要があるため、部品の外形ではなく、挿入端子の先端を正確に画像認識する必要があります。ところが、挿入端子の先端はカット方法、処理方法によってさまざまな形状をしており、挿入端子の中心を正確に認識することは困難です。

挿入端子の先端形状と画像認識イメージ

先端形状の違いによる誤認をなくし、挿入不良の発生を防ぐためには、挿入端子の先端を正確に画像認識できるカメラとライティングが必要です。

サイドライトカメラは、挿入端子にレーザーを照射して先端を画像認識しやすくする方式で、あらゆる先端形状の挿入端子の中心を捉え、正確な位置決めで挿入不良の発生を防ぎます。

画像処理方式と端子の見え方の違い

2.2 圧入ピン付き部品を確実に装着

大型部品の中には搬送中の転倒や抜け、二次溶融時の浮きを防ぐために固定用のピンが付いているものがあります。こうした部品は、装着時に所定の圧力をかけて基板の穴に押し込む圧入装着機能で確実に装着できます。

圧入時のトルクを管理しているため、万が一、異物や部品などがはさまり、圧入ピンの根元まで挿入できない場合は不良として検出します。

圧入エラーを検出

対象ヘッド: DXヘッド(S1)、H01ヘッド、H01Vヘッド、H02ヘッド、H02Fヘッド、OFヘッド
最大トルク: 98N

同じ圧入部品でも、ボディ強度の低い部品やシールドケースなど、一度に押し込むと変形するおそれのある部品は、一旦装着した後に複数個所を押さえる部品押さえ機能で、部品へのストレスを抑えながら確実に圧入装着できます。

部品押さえ機能イメージ

2.3 背高部品の装着

近年の実装機は、X、Y方向に大きな部品を取り扱えるようになってきていますが、Z方向はメカ的な制限があるため、一般的な実装機で取り扱える部品の最大高さは25mm程度です。しかし、大型のコネクタは、挿入端子を含めた高さが30mmを超えることも多く、装置の仕様を超える場合は、手作業で組み立てられます。

FUJIの実装機は、最大高さ38.1mm(1.5インチ)までの背高部品の供給、装着に対応しているため、SMTラインで自動組み立てできる部品の範囲が広がり、手作業で課題となる品質と生産時間のバラツキを安定させることができます。

38.1mm(1.5インチ)までの部品実装に対応

2.4 重量部品を確実にハンドリング

一辺が100mmを超える超大型BGAや大型のトランスは、重量が200gを超えるものがあります。ヘッドラインナップの中で最も重量部品に強いDXヘッドは、250gまで※2の重量部品をハンドリングできます。

しかし、重量部品は、搬送時やローテーション時に落下しやすくなります。吸着後の部品の落下を防ぐためには、形状や重量のバランスを考慮した最適な位置を吸着するように設計されたカスタムノズルが有効です。

※2 実績値

250g大型BGAの実装

2.5 大型部品の狭隣接実装

上面にノズル吸着できる平らな面がない部品は、一般的には外形をメカチャックでクランプしてハンドリングします。しかし、DIMMソケット※3のように、隣接して複数装着される部品の場合、部品とメカチャックの干渉により部品が破損してしまうことがあります。こうした干渉を避けるためには、部品の内側からクランプするメカチャックを使用することで解決できます。

※3 コンピュータのマザーボードに搭載されるメモリ基板の差し込み口となる部品

DIMMソケットの実装

FUJIは、カスタムノズル、カスタムメカチャックを短期間でご提供できるよう、世界中の拠点で製作できる体制を整えております。

2.6 変形しやすい部品のハンドリング

最新のスマホ基板で採用されているインターポーザのようにボディが細く、変形しやすい部品をピックアップするためには、ノズルで吸着せねばなりません。しかし、インターポーザは吸着面にバンプが並んでおり平らでないため、ノズル吸着ではエアーがリークしてしまい安定したハンドリングが困難です。

ゴムパット付きノズルを使って吸着する方法もありますが、コムパットを定期的に交換する必要があるため、コストと管理工数が増加します。

インターポーザ部品

このように変形しやすく、ノズル吸着が困難な部品を大量に使用するお客様には、大流量エアーで強力に部品を吸着するH01Vヘッドをご提案しています。H01Vヘッドは、エアー流量の大幅アップにより、部品保持力を従来ヘッドの4倍に上げました。H01Vヘッドと部品形状に合ったカスタムノズルを組み合わせることで、変形しやすく、吸着時にエアーがリークしてしまう部品でもしっかりと吸着できるため、高速実装が可能となり、品質に影響を与えることなく生産性を向上できます。

インターポーザ実装動画

3. 大型部品の補給における課題を解決

大型部品の多くはトレイで供給されますが、一つ一つの部品が大きいため、1枚のトレイにセットできる数は限られます。そのため、補給頻度は高くなり、ミス発生率の増加や補給の遅れによる装置停止といった課題を耳にします。

3.1 画像認識で部品のセットミスを検出

部品のセットミスは、生産開始後の画像処理工程で検出できますが、形状が左右対称の部品や同一形状で仕様の異なる部品は、実装機の画像処理では識別が難しく、一旦人の目視チェックをすり抜けると誤実装となってしまいます。

TVR部品照合機能※4は、部品吸着前に上面の特徴部をマークカメラで撮像。データと照合・確認し、セットミスが原因の不良を未然に防ぎます。印字照合による部品の識別もできるため、ロット管理や同一形状で仕様の異なる部品のセットミスも検出できます。

※4 対象機: NXTIII、NXTIIIc、AIMEXIII、AIMEXIIIc

部品上面の特徴部による角度チェック TVR部品照合機能

印字照合による識別

レーザー刻印など画像認識が難しい印字の場合は、ローアングルライティングユニット※5を取り付けることで、鮮明に画像認識できるようになり、認識ミスを最少化します。

※5 対象機: AIMEXIII、AIMEXIIIc

ローアングルライティングユニット

 

部品の下面に目印や特徴部がある場合は、装置カメラで部品の向きをチェックできる、ボトムマークチェック機能でセットミスを検出し、誤実装を防ぐことができます。

部品下面の特徴部で角度チェック ボトムマークチェック機能

3.2 トレイ部品補給時のロスタイムを最小化

前述しましたようにトレイで供給される大型部品は補給頻度が高くなるため、補給作業が遅れて装置が停止してしまうことがあります。
FUJIのトレイユニットは、上下に2つのトレイマガジンを搭載しており、これらの動作を組み合わせることで、補給回数の低減や無停止補給が可能となります。

上下マガジンの動作イメージ

3.3 スティック部品の補給負荷を軽減

スティックで供給される大型のコネクタには、水平段積みスティックフィーダーを推奨しています。スティック部品を重ねて複数搭載でき、スティック内の部品を使い切ると空になったスティックを自動で排出し、新たなスティックで生産を再開します。使用数の多い部品でも補給頻度を減らすことができ、オペレーターの作業負荷を軽減できます。

水平段積みスティックフィーダー

大型部品は、さまざまな形状をしたものがありますが、それぞれの特徴に対応した機能やユニットを使用することで、品質や生産性を落とすことなく生産できます。
弊社では、本稿でご紹介したもの以外にも、大型部品を実装するうえで役立つ機能やユニットをご提供しております。
詳細につきましては、お気軽にお問い合わせください。

関連製品

NXT III
NXT IIIc
AIMEX III
AIMEX IIIc

関連情報

Copyright© FUJI CORPORATION. All Rights Reserved